ROCK SEEN BOB GRUEN

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インタビュー

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LOVE PSYCHEDELICOとボブ・グルーエンの写真
「ボブが撮ったジョン・レノンに見守られて」

ジョン・レノン経由で知ったボブ・グルーエン

僕ら、ふたりとも写真集『JOHN LENNON THE NEW YORK YEARS』を持っていて。(NAOKI)

10年近く前に手に入れて、ずっとスタジオに置いているんです。(KUMI)

憧れのジョン・レノンのニューヨーク時代の姿がたくさん見られるというので入手したんですが、これもボブ・グルーエンなんですよね。ジョン・レノンのいろいろな表情が収められていて、大好きな一冊です。(NAOKI)

スタジオに飾られているジョンの写真

”NEW YORK CITY”のTシャツを着たジョン・レノンの写真が額装された状態でたまたま近所の古道具屋さんにあったんです。(KUMI)

で、埃をかぶっていたその写真を買ってそのままスタジオに飾りました。ジョン・レノンの写真の中でもとくにこの写真が好きなのは、落ち込んでいるときには「何があったんだい?」って言ってるようにも見えるし、自分が不甲斐ないときは「お前、しっかりしろよ!」と言っているようにも見えたり、曲づくりで悩んでいると腕組みして一緒に考え込んでくれているようにも思えたりするところで、しょっちゅうこの写真とにらめっこをしていますね。この写真からは、写真という存在を超えたエネルギーをもらっているんですけど、これもボブの作品だというのをあとから知って、自分たちの体験にボブの写真がこんなにも浸透しているんだなぁと改めて驚きました。(NAOKI)

同じ写真のポスターがオフィスに張ってあって、それはオノ・ヨーコさんに会うためにニューヨークへ行ったときに買ってきました。ニューヨークではあちこちにこのポスターが売っているんです。ジョンの哲学のすべてが詰まった、《モナリザ》みたいな写真(笑)。(KUMI)

「この一枚」と思う写真は決まってボブが撮っている

僕らの世代だと、先に写真を知っていて、あとからボブ・グルーエンの名前を知るということがほとんどだと思うんです。さっきのジョン・レノンの写真集に限らず、「あ、この写真もボブ・グルーエンだったんだ!」と気づくことが本当に多いんですよね。たとえば、キース・リチャーズなら絶対にこれ、とかレッド・ツェッペリンのステージ写真ならジミー・ペイジとロバート・プラントが絡んでいる写真といったように、僕のロック体験の中で「このアーティストならこの一枚」という写真はだいたい彼が撮っている。僕らの世代が愛し続けてきた一枚というのが決まって彼の作品だったりするんです。『ROCK SEEN』を眺めていても、こういう写真は彼じゃなければ撮れなかったんだろうな、という風に思いますね。(NAOKI)

ミュージシャンの一番ピュアな瞬間

クラプトンだったりツェッペリンだったりボブ・ディランだったり、彼らの音楽を聴いてわたしたちが感動することと同じものが、ボブ・グルーエンの写真からは伝わってくるように思います。いい空気が写真に残っていて、「みんな生きてるなぁ!」って。ミュージシャンが一番かっこいい瞬間、ピュアな瞬間を撮っていて、どの写真を見てもキュンとしますね。わたしたちが撮られる機会があったら……彼だったらいつ撮られてもいい気がします(笑)。演奏していてもそうじゃなくても、変わらず撮ってくれるんじゃないかな。(KUMI)

(インタビュー&テキスト 青野賢一)

LOVE PSYCHEDELICO

2000年4月、シングル『LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~』でデビュー。1stアルバム『THE GREATEST HITS』は200万枚を超える驚異的なセールスを記録。今年7月にアルバム『LOVE YOUR LOVE』をリリース、9月から全国ツアーを開催。NAOKIの卓越したギターテクニックと KUMIのヴォーカルスタイルは、印象的なリフ・日本語と英語が行き交う独特の歌詞によって、 唯一無二の音楽を作り出し続けている。